Macintosh研究室


1999/9/22 の〜とん先生って……

しばらくぶりの更新で〜す♪ さて、iMacが売れちゃって、ちまたにはMac初心者なるものが増えましたね。今どきの趣味のパソコンは、ネットにつながらないと使いこなしは無理なのか、けっこ〜あちらこちらの掲示板でも、初心者の方の質問が多ございますようで。曰く、ちゃんと起動しない、終了しない、フリーズするなんてことがしょっちゅうのようでして、そういった中で、最近ふと気づいたのが、「の〜とん先生で診断したのですが」って一文です。意外と数多くの初心者ユーザーが「の〜とん先生」を使っているようで、なんかまるで必須のアプリみたいな気がするほどです。

これは先駆者ユーザーたる諸先輩方が、システムなんちゃらや漢字トークなんぼなんちゅうオールドOSでの爆弾の雨あられに辟易して、なんぞこの事態を避けられるアプリはないものかと、藁にもすがる思いで「の〜とん先生」をインストールしたのが始まりなのかなとも思いますが。んで、初心者ユーザー達は、諸先輩のご意見に忠実にMacOSには「の〜とん先生」が必須であるッ、なんて勘違いなされているのかな、と思う次第であります。

まあ、OSもバージョン9にもなろうとしている現在、はるかに安定したとはいえ、それでも時折挙動不審にはなるコトは否めません。ましてや、初心者であれば、システムを安定させるなんてのは至難の技でしょう。世界No.1の問題解決ソフトなんて謳い文句があれば、とびつくのも仕方ないことなのかもしれません。(まあ、Appleがもっと安定したOSを作れないのも問題なのかもしれませんが)でも、本当に「の〜とん先生」が必要なのでしょうか?

現在、OS標準の付属ユーティリティとして、DiskFirstAidとドライブ設定というものがあります。ファイル構造やボリューム構造の検査修復には、DiskFirstAid、メディアの媒体検査にはドライブ設定のディスクのテストが使えます。ほとんどの場合この2つで事足りるのではないかと、僕は考えます。この2つのユーティリティで検査して問題がなければ、それは、ドライブやファイル構造の問題ではないと言えるのではないかと思います。そういう場合、問題の根源は機能拡張やコンパネのコンフリクトや、ファイルそのものの破損、ハード的な故障ということになるのではないでしょうか。

もっともこの2つのユーティリティで問題が見つかった場合、修復できないことも間々あるようです。DiskFirstAidで問題が発見され、修復不可能であったなんて時、はじめて「の〜とん先生」の出番てことなんじゃないでしょうか。もちろん、無理に「の〜とん先生」に診てもらう必要はありません。修復不可能なんだから、おとなしく初期化して、再インストールすれば済むことではあります。ドライブ設定のディスクのテストで重大なエラーが出るようなら、フォーマットして再インストールでしょう。フォーマットすらできないなら、もはやドライブがご臨終です。あきらめて、ドライブを交換すべきです。もし、仮にフォーマットできなかったのに、使用できたとしても、それはすり減ったローターに新品のブレーキパッドを入れてるようなものですから、遠からずクラッシュすることは目に見えています。危険な状態であることは念頭に置くべきでしょうねぇ。

ところで、パソコンで大切なものってなんでしょう?ハードウェアでしょうか。ハードウェアがイカレれば相当な出費ですから、これは避けたいところです。もうひとつ重要なのは、データですね。こっちはハードウェア以上の被害金額になることもあるでしょう。そのデータを守るのがユーティリティソフトですね。その代表格がDiskFirstAidや「の〜とん先生」ってワケですが、果たしてユーティリティソフトがないとダメなんでしょうか? 答えは「いいえ」ですね。人間も大切なのは、ハードウェア(生命)とデータ(記憶)ですが、ハードウェア(生命)を守るのにはドックや健康診断なんかをしてますね。では、データ(記憶)を守るのには、どうしているのでしょう。そう。記憶より記録ですね。メモや書類、大事ならはたまたそのコピーにして残しておく。そういうことをしているはずです。パソコンも同じですね。基本は、大切なデータはコピーしておく。これにつきます。

また、人間の場合、クローン再生なんてことはSFのお話ですから、例えば簿記ができる人材が倒れてしまえば、後任を育成する必要が生じて、大変な手間です。ですから、病気になどならないように、定期的に健康診断なんかを行っています。しかし、パソコン、ことMacにおいては、クローン再生が可能なんです。システムを丸ごとコピーしておけば、現在のシステムが倒れても、スグに復旧できる、なんて素晴らしいんでしょう。この特長を利用しない手はありません。

大切なデータと共に、健康なシステムもコピーしておくこと、これがパソコン保守、とりわけMacの基本なんですね。考えてみれば、ユーティリティソフトにちょっとお金を足してやれば、大容量のドライブが手に入る時代なんです。ハードディスクが高くて手が出ず、仕方なくドライブのメンテナンスをしながら、やりくりして使わざるを得なかった過去はともかく、現代では記憶装置を追加してバックアップしておくというのが正しいメンテナンスと言えるのではないでしょうか。

とはいえ、ユーティリティソフトが全く不必要なのかというと、そういうワケでもありません。修復不可能のエラーの度、再インストールなんてのはやっぱり面倒だし、間違って消しちゃったファイルの復帰なんてのも、その場でちょいちょいと直るのなら、それにこしたことはないでしょう。そういう意味で「の〜とん先生」なんかも、有用ではあります。でも、「の〜とん先生」なんかの場合、システムの根幹にかかわるソフトでもあります。特にデフォルトで色々つっこんでくれてしまう現状では、常時使う起動システムにインストールするのは、避けたいですね。できれば、別パーテーションに保守用のシステムを作成して、そこにインストールするか、CD-ROMブートすることをお勧めします。で、時々診断してもらう、なんてのがいいんじゃないでしょうか。

ま、なんだかんだ言って、一番のメンテナンスは「触らぬ神に祟りなし」だったりもしますけど。


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