カナかな団の躁鬱

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日記

617 勇気のある奴

  • 投稿者 首領
  • 投稿日 2003年03月04日 03時21分

今は昔、首領がまだ学生だった頃。下宿先で噂になっていたことがありまして。何でも、0X-XXX-XXXX という番号に電話すると、木魚の音が聞こえ、それを 10 回聞くと、死んでしまうのだそうで。「そんなん、嘘に決まってんじゃん」という意見と、「うんにゃ、それを聞いた先輩が、現に死んだという話もある」等ともっともらしい話も現れ、それなら実際に確認してみようということになり、夜の夜中に、皆は下宿屋の玄関先の赤電話に集合したのである。

で、電話をかけてみるまでに一悶着。何のことはない、皆、貧乏なので金が無い。新入生やら、先輩やら、下宿中の部屋を捜索して、なんとか 10 円玉を数十枚集め、とにかくダイヤルしてみることに。

最初の奴は、かけて数秒で「うわあ」と声を上げ、受話器を置いた。「どうした ?」と聞くと、「聞こえた、聞こえた。木魚が鳴っているよう」と、やや表情をひきつらせている。二番目、三番目と時間は多少長くなるが、誰も 10 回まで数える奴はいない。私も、8 回ほどは聞いたけど、その場のノリで受話器を置いてしまった。下宿屋の玄関先でいい若い者が、もうエライ騒ぎである。やべーよ、まじーよ、死んじまうよ、と盛り上がってしまって大変だった。10 円玉も残り少なくなった頃、先輩の一人が挑戦した。ゆっくり時間が経過していく。10 秒、20 秒、受話器を置く様子はない。皆は、事態の進展に黙り込み、果たして死人が出るのか、それとも……。

結果的には、誰も(その場では)死ななかったし、真相を知れば「なーんだ」という話なんですが、ああいう状況で、受話器を置かず最後まで聞いた先輩ってのは、いろんな意味で勇気あったなと、カウントダウンで、なんとなく思い出した話。


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