カナかな団の躁鬱

web 上で公開するために、「何か」を『記号付けされた文書』と『装飾』に分け、『装飾』にスタイルシート、CSS を使うということは、或る意味、装飾を放棄したことになります。利用者がスタイルシート OFF であれば、UA デフォルトの装飾となりますし、ユーザースタイルシートを使っていれば、そしてそれが制作者スタイルシートを完全に上書きするものであれば、制作者の『装飾』に対する意図など、微塵も反映されません。

つまり、制作者スタイルシートとは、利用者が選択できる『装飾』のひとつ、利用者に対し、『装飾』の選択肢を提供しているに過ぎません。制作者の提供する『装飾』を利用するか否かは、利用者の自由です。

もちろん、制作者として一番映えそうな『装飾』ということでスタイルシートを制作しているのですから、それを提供することが無意味ということではありません。なんといっても、一般の、そう、多くの利用者は、UA、ブラウザというものを、デフォルトで使用していたり、またその多くは Windows IE5 〜 6 であったりします。つまり、提供される制作者の『装飾』は、ほとんどの利用者に利用されるでしょう。しかし、それが当然の事実だと思うのは危険なのです。たまたま、制作者の『装飾』を選択してくれているだけなのだ、という謙虚な考え方をするべきなのです。

忘れてはならないのは、web 上で「何か」を公開するには、『装飾』は飽く迄オマケであり、文書に記号付けをした時点で完了としても良いということ、『装飾』のために記号付けを誤魔化してはならないということです。

『装飾』のために記号付けを誤魔化しているのは、「不思議マークアップ」でしかないのです。自戒。