つまるところ、日記BBSの過去ログです。各記事の見出し部分のナンバーは記事個別表示のアンカーとなっています。
昔、昔、あるところに、お爺さんとお婆さんが住んでいました。お爺さんは山へ柴刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。
お婆さんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が、どんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。
「大きな桃だこと。持って帰って、お爺さんと食べましょう。」
夕方、お爺さんが桃を切ろうとすると、桃はぱかっと割れて、中から男の子が出てきました。
「おんや、たまげた。桃から生まれたから、桃太郎と名付けよう。」
桃太郎はすくすくと育ちました。ある日、桃太郎は、
「これから鬼の征伐に行って参ります。」
と、お婆さんに言いました。お婆さんは、キビダンゴを作って持たせてやりました。
キビダンゴを持った桃太郎が、山道を歩いていると、
「わんわん、わんわん。」
犬がやって来ました。
『♪ももたろさん、ももたろさん。お腰につけたキビダンゴ、ひとつ私にくださいな。』
『♪やりましょう、やりましょう。これから鬼の征伐についてくるなら、やりましょう。』
犬が家来になりました。
犬を連れた桃太郎は、さらに山道を登っていきます。すると、
「きっきっ、きっきっ。」
猿が出てきました。
『♪ももたろさん、ももたろさん。お腰につけたキビダンゴ、ひとつ私にくださいな。』
『♪やりましょう、やりましょう。これから鬼の征伐についてくるなら、やりましょう。』
猿も家来になりました。
犬と猿を従えた桃太郎は、どんどん山道を登っていきます。すると、
「けんけん、けんけーんっ。」
雉が飛んできました。
『♪ももたろさん、ももたろさん。お腰につけたキビダンゴ、ひとつ私にくださいな。』
『♪やりましょう、やりましょう。これから鬼の征伐についてくるなら、やりましょう。』
雉も家来になりました。
犬と猿と雉をお供にした桃太郎は、山を越え、海岸にさしかかりました。地元の漁師から船を借りた一行は、一路鬼ケ島を目指し、大海原へ。
鬼ケ島へ着いてみると、高く大きな城門が一行を待ち受けていました。しっかりとカンヌキがかかっているらしく、びくともしません。そこで、桃太郎は雉にロープをくわえさせ、城門を飛び越えさせました。そして、そのロープを猿が登って、城門の内側へ忍び込み、カンヌキを外させました。
「ぎぎー」
重苦しい音とともに城門が開きました。
「それっ。」
桃太郎の掛け声に、三匹の家来が一斉に鬼に飛びかかります。犬は噛みつき、猿は引っ掻き、雉が突くので、たちまち鬼はへたばってしまいました。
「こ、降参ですー。」
鬼は、泣きながら謝り、たくさんの財宝を桃太郎に差し出しました。
桃太郎は財宝をどっさり持って、お爺さんとお婆さんの家へ帰りましたとさ。
山道で歌を唄っているあたりで、下の娘は寝てしまうので助かるのです。