カナかな団の躁鬱

かつて、凶悪な国がありました。今回の米同時多発テロと呼ばれる戦争を起こした集団よりも凶悪な。どのくらい凶悪だったかというと、予告無く破壊活動をしたり、ある街を襲撃して30万人から100万人とも言われる死者を出したり、婦女子を強制的に連行したり、あげくの果てには爆裝して体当たりという今回のテロの手本のような行為に走り、世界中を震え上がらせていたのです。そこで、アメリカは立ち上がりました。凶暴なこの国に対して、報復と呼ばれそうな攻撃をくわえました。当初はてこずりましたが、驚異的な生産力を基にして、次々と凶暴なその国の施設や基地を破壊、都市部を絨毯爆撃、ついには核爆弾を使用して、こてんぱにやっつけたのです。たくさんの被害者が出ました。やりすぎたかもしれません。報復に対する報復が、その国の民の心に芽生えるかもしれません。

しかし、その後どうなったかというと、報復攻撃に対する報復はありませんでした。それも何十年も。それどころか、そのかつて凶悪だった国は、平和を呑気に訴え、武器を捨て、経済のみに奔走する素晴らしい国に生まれ変わったのです。ビバ、報復攻撃。